牛乳の生産地は北海道?

さて、ここまで牛乳の成分や種類について書いてきましたが、いったい牛乳がどこで作られているか分かりますか?
「北海道」と思われたあなたは、少し惜しいです。
生乳の生産量(つまり、絞った乳の量)を見ると、

1位:北海道319万t(全体の約半分)
2位:栃木県33万t
3位:千葉県27万t

というように、北海道が圧倒的に多くて、次に首都周辺の県が来ます。しかし、この順位がそのまま牛乳の生産量に関係するわけではありません。

まず、牛乳を飲んだことがあれば分かるように、牛乳をこぼしてしばらく(およそ5分くらい)そのままにしておくと異臭がするようになりますよね?
そのように、牛乳とは大変腐りやすい、賞味期限の短いものなのです。

次に、日本で一番人口の集中しているのはいわゆる首都圏です。
東京23区(8,996,073人)、横浜市(3,697,006人)【共に平成24年10月1日現在】と、この二つの都市を見ただけでもわかるように、首都圏はあらゆるものの大消費地なので、そこに新鮮な牛乳を届けられれば大きな利益を得ることが出来ます。

そのため、その牛乳の大消費地に(非常に腐りやすい)牛乳を届け、大きな利益を得るために、大消費地の近くで牛乳を製造する酪農家がたくさんあります。こういった酪農家は、牛乳が日本で広く飲まれるようになってから非常に増えたのです。

そのため、生乳ではなく「牛乳」の生産量の話となると、北海道が大部分を占めるということはなくなり、首都圏周辺の県が上位に多くなるわけです。

では、北海道はこんなに多くの生乳をどうしているんでしょうか?
その答えはというと、北海道の生乳は牛乳よりも日持ちの良いチーズ・バター・ヨーグルトといった乳製品にしているのです。