牛乳(ミルク)の種類

店頭で成分無調整牛乳や低脂肪牛乳、加工乳といった表示を見たことはありませんか?
「低脂肪乳って加工乳の一種じゃないの?」とか思われるかもしれませんが、これらの牛乳の種類にもキチンとした分け方があるんです。
それを少し見ていきましょう。

成分無調整牛乳

一般的に「牛乳」と呼ばれるものは大体これに当たります。
牧場でとれた生乳(牛からしぼった後、一切手を加えていない乳)を加熱滅菌したものを指し、乳脂肪分が3.0%以上、無脂乳固形分が8.0%以上あることが条件付けられています。
このとき、水や他の原料を加えたり、成分を取り除いたりしてはいけません。

低脂肪牛乳

生乳から乳脂肪分の一部を取り除いたものを指します。
この時、水や他の原料を加えてはいけません。
乳脂肪分が少ない分、成分無調整牛乳とは味わいも異なります。

無脂肪牛乳

低脂肪牛乳からさらに乳脂肪分を取り除いたものです。
但し、完全に脂肪分をなくすことはできないので乳脂肪分が0.3%未満のものを指すことになっています。

成分調整牛乳

低脂肪乳との大きな違いは、乳脂肪だけでなく、無脂乳固形分、水分など成分の一部を抜いたものを言います。
つまり、低脂肪乳より取り除く成分の種類が多いのです。
但し、無脂乳固形分は(成分無調整牛乳と同じく)8.0%以上含まれている必要があります。

加工乳

生乳にバターなど他の乳製品を加えて成分を調整したものを言います。
ここまで紹介した牛乳と異なるのは、成分を抜くのではなく「加える」という点にあります。
そのため、今までの牛乳にはない味わいを生み出すことができます。ただし、加えていいのは「乳製品」と「水」のみです。

乳飲料

加工乳に加えてよいものを限定しなくなったものが乳飲料です。
例えば鉄分を豊富に加えた牛乳や、フルーツ牛乳など、様々な種類の乳飲料が存在するため、色々な人の要望に応えることができます。
おおよそ嗜好飲料として飲まれることが多いかと思います。


いろいろな牛乳の種類まとめ

ここまでのことをまとめると、





何も手を加えていないもの成分無調整牛乳
牛乳の成分を抜いたもの無脂肪乳・低脂肪乳・成分調整牛乳
牛乳に他のものを加えたもの加工乳・乳飲料

となります。それぞれ右に行くほど加工の自由度が高くなります。

※補足:特別牛乳

あまり目にされることはないと思いますが、「特別牛乳」という種類も存在します。
これは、特定の基準に従って製造されたものを指し、特別牛乳として搾取してもよいと許可を受けた施設でのみ製造できます。現在は、日本でわずかに数か所の施設でのみ製造されています。

基準を準拠できていれば加熱殺菌しなくてもよいため、現在数か所ある特別牛乳搾取許可を受けた施設のうち1箇所では無殺菌牛乳が製造されています。